ライトルームでやってはいけないこと⑤

ライトルームでやってはいけないこと5-Main

 
「ライトルームでやってはいけないこと」のシリーズ記事第5弾です。

市販されているライトルームの指南書などは、写真の現像に重きを置いているものが多く、写真管理の方法や、推奨の設定などに関して、あまりわかり易く解説していないのが現状です。また、機能の説明が多く、「こうすべき」、とか、「こうしてはいけない」という記述もあまりありません。

また、周囲のライトルームユーザーに助言を求めても、「僕はこうやって使ってるけど。」という話しが多く、「なぜ、そうすべきなのか」という説明が欠落しているケースが多くあるのではないでしょうか。

「ライトルームでやってはいけないこと」の解説記事は、ライトルームの裏表を知り尽くしたプロのフォトグラファー、マサ・オニカタが自信を持って皆さんにお伝えする内容となっています。ライトルームの技術的仕様を深く理解し、「最も典型的で、実用性の高い使い方」に基づき、「ライトルームでやってはいけないこと」と、「何故そうしてはいけないのか」という理由をわかり易く解説していますので、是非読み進めてくださいね。
 
なお、この記事は、Lightroom Classicやその前身のLightroom (Lightroom CC 2015, Lightroom 6, Lightroom 5など)を対象としています。

ご自分のライトルームのバージョンがわからない方は、以下のページでご確認ください。

 
さて、今回の「やってはいけない」記事は、「むやみに新しいカタログを作ってはいけない」という内容になります。「自分は一つのカタログしか使っていない」という方も、「なぜ複数のカタログを作るべきではないのか」という話は将来の参考になると思いますので、ご一読くださいね。


カタログファイルをあまり理解されていない方は以下の記事をまずはお読みください。


なお、今回の記事は、一般の写真愛好家の方々を主眼に書いています。仕事で写真を撮っていて、複数のチームメンバーで作業するケースなどでは、プロジェクトごとにカタログファイルを作ったりします。また、報道カメラマンの方々は、ひと月に数万枚の写真を撮ったりする場合もありますが、そういったケースでもカタログファイルを分けるのが典型的です。膨大な数の写真を取り込むと、ライトルームの動作速度が遅くなることがありますので。

ただ、一般の方は、それほど写真の枚数も多くはないでしょうし、個人的な用途でライトルームを使っている(つまり、プロジェクトごとにカタログを分ける必要がない)はずですので、一つのカタログファイルをずっと使い続けるべきなのです。

一つのカタログに取り込める写真の枚数は色々な要素が関係するため明言はできません。

パソコンのスペックが低かったり、各写真の解像度が非常に高かったり(例:4000万画素以上)、部分補正(補正ブラシ、段階フィルター、円形フィルター、スポット修正など)を数多くの写真に対して行っていたり、と、様々な要因でライトルームの動作速度が遅くなることがあります。


ライトルームを使用する際の、理想的パソコン仕様に関しては以下の記事をご一読ください。


ただ、この記事に記載しているスペックを充たしているパソコンであれば、「ざっくり申し上げて」、10万枚以上の写真を一つのカタログに読み込み、問題のない動作速度で作業できると思っていただいてよいと思います。

ですので、ほとんどの方が、一つのカタログを数年間は快適に使い続けることができるはずです。また、パソコンを買い替える「数年後」には、パソコンの平均スペックも更に向上しているはずですので、ライトルームの動作速度も速くなり、同じカタログに更に写真を追加しても問題ない状況になっていることも想像できますね。

ということで、一般的な使い方をしていれば、ライトルームのカタログは一つだけで問題ないと、と考えていただいてよいでしょう。

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では、今度は、カタログを分けるべきではない理由に関して、以下で説明したいと思います。
 

カタログを分けるべきではない理由:

 
カタログを分けるべきでなない理由には主に以下の三つがあります:

  1. 写真の検索性
  2. ライトルーム・モバイルとの同期
  3. キーワードの管理

「ライトルームでやってはいけないこと」のシリーズ記事①~④はこちらをお読みください。


 

  1. 写真の検索性

    ライトルームは写真の検索がとても得意です。例えば、「2015年の1月に江ノ島で撮った夕日の写真で、★が2つ以上付いており、しかもISO200以下で撮影したもの」といった条件で、あっという間に該当する写真を見つけることができるのです。

    写真の検索
     
    写真を検索する方法に関しては、以下の記事で詳しく説明しています。とても簡単な操作ですので、ご一読ください。



    非常に優秀な検索機能ですが、実は、カタログをまたいで写真を検索することができません。つまり、「あの写真はどのカタログに入れたんだっけ?」と悩む羽目になるわけですね。そして、写真を探すために、カタログを一つ開いては閉じ、別のカタログを開いては閉じ、ということを繰り返し、時間を無駄に費やすことになります。

    troubled_man_too_many_catalogs
     

    こういう時にカタログが一つだけだと、一発で探している写真を見つけられるわけです。

  2.  

  3. ライトルーム・モバイルとの同期

    Lightroom Classicやその一つ前のバージョン(Lightroom CC 2015)には、一部の写真をクラウドと同期し、それをスマートフォンやiPadなどで閲覧したり、簡易現像したり、更に、キーワード付けや、★付けなどをすることができます。そして、モバイルデバイスで行った作業の情報がまたクラウドに上がり、パソコンのLightroomに反映されます。

    Lightroom_Mobile2
     


    ライトルーム・モバイル(Lightroom Mobile)に関しては以下の記事で詳しく解説しています。


    とても便利なライトルーム・モバイルですが、実は、クラウドと同期できるのは一つのカタログのみです。

    ですので、カタログを複数作ってしまっていると、「どのカタログをクラウド同期するべきか」と悩む羽目になるわけですね。

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  5. キーワードの管理

    上記1.でも述べたように、ライトルームはとても写真検索が得意なアプリケーションソフトです。そして、高い検索性を維持しながら使い続けるために、各写真にキーワード(タグのようなもの)をふっておくべきです。

    「キーワード付け」には一貫性がとても重要で、例えば、数年間、江ノ島の写真を撮り続けて、2000枚ほど貯まったとしましょう。この時、300枚の写真には「江ノ島」というキーワードが付けてあり、残りの1700枚には付いていない、という状況だと、「江ノ島」というキーワードを使って江ノ島の全ての写真を検索することができない、つまり、検索性が損なわれた状態になっている、ということになります。また、一部の写真には「江ノ島」というキーワードが付けてあり、別の写真には「江の島(『の』がひらがな)というキーワードが付いているとしましょう。これだけでも「検索性が損なわれている」と言えますね。

    江の島_江ノ島
     
    ライトルームの写真管理機能をフルに使いこなすためには、キーワードのつけ方についてしっかりと考え、一貫性を保ちながら、抜け漏れなくキーワードを付けていく必要があるのです。

    以前「キーワードを極める」という記事を書きました。ちょっと長い記事ですが、よろしければ、お時間のある時に読んでみてください。

     
    この記事を読むとおわかりいただけるのですが、ライトルームでは、「キーワードリスト(ライブラリモジュールの右側にあるパネルです)」というものを有効活用して、しっかりとキーワード付けをしていくべきです。しかしながら、残念なことに、この「キーワードリスト」はカタログ間で同期することができません。

    キーワードリストは同期できない
     
    「力技」で同期する方法があるにはあるのですが、これはとても手の込んだやり方なので、あまりお勧めしていません。

     
    ということで、カタログが複数存在していると、それぞれのカタログでキーワードリストを管理することになってしまい、その作業に無駄に時間を割くことになるのです。

 
以上3点が、ライトルームで「むやみに新しいカタログを作るべきではない理由」です。

いかがでしたでしょうか?
 
ライトルームを自己流で使い始めてしまうと、上述した「不都合」に関して理解することなく、やたらと新しいカタログを作ってしまうかもしれませんが、ライトルーム初心者の方は、意識して、一つのカタログを使い続けるようにしてくださいね。

長い期間ライトルームを使っている方で、カタログが分散している場合は、ミヤビプロダクションの「カタログ整理代行サービス」をご検討くださいね。各カタログの中身を整理したうえで、一つのカタログに統合するお手伝いをさせていただきますので。

また、ライトルームを基礎からしっかりと理解した上で使い始めたいとお考えの方、そして、「しばらくの期間、ライトルームを使っているが、誤った使い方になっていないか、一度確認してみたい」とお考えの方は、是非一度、「マサ・オニカタのライトルーム使い方講座(マンツーマンレッスン)」をご受講ください。

プライベート・レッスンですので、ご自分のペースでしっかりと学んでいただくことができます。

ライトルーム初心者からプロのカメラマンまで、幅広い層の方々に受講していただき、大変ご満足頂いています。
 

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それでは、お申し込み・お問い合わせをお待ちしております。

 
マサ・オニカタ