【徹底解説】ライトルーム~キーワードの付け方 第1頁(全3頁)

キーワードを究める-Main
(今回の記事はLightroom Classic CCやそれ以前のバージョンのLightroomを対象としています。2017年10月18日にリリースされた、クラウドベースの新Lightroom CCは対象外ですのでご了承ください。)

ライトルーム(Adobe Lightroom)には、大変優秀な写真管理機能が備わっています。「写真管理」という言葉の定義は、大きく分けて2つあります。

  • 一度の撮影で大量に撮った写真を比較し、ベストショットを選ぶこと
    (選別、絞り込み、取捨選択などと言ったりします。)
  • 過去に撮影した膨大な量の写真の中から一定の条件を満たす写真を効率的に探し出すこと(いわゆる検索です。)

今回の記事では、2点目の「検索」を行うために非常に重要な「キーワード付け」に関して徹底解説していきます。

ライトルームユーザーの大半が

  • キーワード付けを全く行っていない
  • 思い付いた時だけキーワード付けを行っており、キーワードが付いていない写真が大量にある

のいずれかに該当すると思います。また、全ての写真に対してキーワードを入力している人でも、その時思い付いた単語をとりあえず記入しているだけ、という状況ではないでしょうか。




 
この記事では、キーワードを体系立てて捉えて考察することにより、実用性が高く、恒久的に使えるキーワード運用法を提案します。キーワードの運用方法がいま一つわからず、もやもやしている方には目から鱗の記事だと思います。また、もう少しで新年ですが、このタイミングで「2018年.lrcat」や「2018.lrcat」という新しいカタログを作成する方も多いと思います。そんな時に、是非、このキーワード運用法を導入してみてくださいね。

今回の記事は以下の構成になります。

◆キーワード運用法に関する論理的考察

◆キーワード運用法の導入

それでは始めます。

まずは、

キーワード運用法に関する論理的考察

です。
 

キーワードを追加することの目的

キーワードの目的
とても基本的な事なのですが、改めて確認しておきましょう。
キーワードを追加することの目的は、写真の「検索性を高めること」に他なりません。つまり、過去に撮影した写真を見つけ易くすること、です。

皆さんがこれまで撮影してきた数多くの写真は、とても大切な財産だと思います。ただ、あまりにも量が多すぎて、以前撮影した写真を探し出せないような状態だと、この先、二度と見ることのない写真ばかりを保存していることになり、「宝の持ち腐れ」です。キーワード付けをしっかり行っておけば、特定の写真をいつでも簡単に探し出すことができるので、写真という財産の価値が大きく高まる、というわけです。
 

キーワード付けは誰の為?

 
誰の為
当たり前のことですが、写真の検索性を高めるのは、「自分の為」ですよね。 更に、ストックフォトなどに写真を納品している方の場合は、「ストックフォトの利用者の為」という事も認識しておく必要があります。ストックフォト・ユーザーには様々なニーズがあり、異なった視点で、色々なキーワードを使って、検索を行います。特定の色や、写真の雰囲気などで検索されることも多々あります。つまり、ストックフォト・ユーザーの立場になってキーワードを考えることも重要になってくるわけです。「ストックフォトは自分には関係ない」という方も、是非読み進めてみてください。キーワード付けを行うために重要な項目が沢山出てきますので。




 

キーワード付けの今後

 
ご存知の方も多いと思いますがアドビ社は「Sensei」というAIを使ったキーワード付けの開発に力を入れています。膨大な量の画像データベースから、個々の写真を画像認識し、該当するキーワードを自動的に付加する、という技術ですね。GoogleやAmazonなど、数多くの企業が注力している分野で、その技術は今後、大きく進化していくでしょう。一方、現時点では改善点も数多く、「熊」で検索すると犬の写真がヒットしたりします。また、どんなにこの技術が将来上がっても、恐らく完璧なキーワードツールになることはできず、手動でキーワードを入力する必要性は(減少はするものの)、残り続けるでしょう。つまり、AIに全幅の期待を寄せるべきではなく、今のうちからコツコツとキーワード付けを行う必要があるのです。
 

キーワード付けに割く工数

 
非常に概念的な話で恐縮ですが、常に以下の図のようになるよう、心掛けたいところです。
キーワード付けに躍起になってしまい、そもそも、将来検索される可能性の低い写真に対して、かなりの時間を割いてキーワード付けを行っている、といった事態に陥りかねません。
やはり、バランスは大事ですし、キーワード付けに割く工数は、工夫して、可能な限り少なく抑えるべきです。キーワード入力に割く手間と、それがもたらす便益を比較しながら、以下の関係が逆転しないよう、注意すべきですね。

キーワード入力の手間と検索性
 
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