桜の撮り方いろいろ

様々な桜の撮り方-Main

2018年の東京の開花宣言は平年より9日早い3月17日でした。この記事の投稿日(3月21日)時点で、3月25日には満開を迎える予想だそうです。

「毎年桜を撮っているが、いつも同じような写真になってしまい、悩んでいる」という方の為に、今回は、桜の撮り方のバリエーションを七つほどご紹介したいと思います。遠出しなくてもオリジナリティーのある写真はいくらでも撮れますので、是非参考にしてみてくださいね。

まずはオーソドックスな一枚。

おなじみ、横浜の三渓園です。

絞り:f/13  
シャッター速度:1.6秒
ISO: 1000
焦点距離:115mm

sakura-01-5
 
パンフォーカスで手前の桜と奥の三重塔にピントを合わせたかったので、f/13にし、揺れる桜がぶれないよう、シャッター速度を1.6秒にし、何度もシャッターを切って風の少ない瞬間を狙いました。
(ブラウザーの種類によっては三重塔の周りが滲んでしまっているかもしれません。その場合は他のブラウザーで開くか、右クリック→ダウンロードして開いてみてください。)

桜の季節は閉演時間を夜9時に変更し、三重塔や桜の一部をライトアップしてくれます。三脚の使用もOKなので、是非トライしてみてくださいね。

http://www.sankeien.or.jp/news/news753.html




 
次は鎌倉の段葛です。

絞り:f/4  
シャッター速度:1/4秒
ISO: 3200
焦点距離:280mm

sakura-02
 
ここは2016年に全て桜が植え替えられました。樹齢5年程度の桜になり、その為、満開時でも大分スカスカな状態です。ただ、桜が成長すると、参道の奥の鶴岡八幡宮は覆い隠されてしまうはずなので、こういうショットが撮れるのも今だけです。敢えて離れた位置から望遠で撮ることで圧縮効果を出し、桜の「満開感」を演出しています。夜の早い時間帯は通行人も多く、良い写真がなかなか撮れないため、この日は敢えて夜11時ぐらいに出向き、徹夜での撮影になりました。真夜中、ひっそりと静まり返った参道に現れた若い男女二人。ゆっくり八幡さまの方へ歩いてゆく姿をカメラで追い続け、ベストな位置でシャッターを切りました。常に歩き続けていたため、シャッター速度は1/4秒が限界。やむを得ず、ISO感度を3200に上げて撮り、Lightroomで現像する際にノイズを除去しました。

次は神奈川県小田原市にある長興山紹太寺のしだれ桜。

絞り:f/5.6  
シャッター速度:1/200秒
ISO: 200
焦点距離:88mm

sakura-03-3
 
樹齢340年の見事なしだれ桜ですが、長く生きているが故の「寂しさ」のようなものを感じたので、撮影後、Lightroomでかなり手を加えています。「シャドウ」を思いっきり下げ、特に右下は敢えて黒つぶれするまで落としています。寂しさと同時に、昔から誇り高く咲いてきた「華々しさ」も表現するべきだと思ったので、桜の花の部分は、補正ブラシを使って色や明るさを補正しました。




 
次の3枚は立川市にある昭和記念公園です。

まずは「しべざくら」。花が散って、おしべ、めしべとガクが残った状態の桜を「しべざくら」と呼ぶのだそうです。

絞り:f/2.8 
シャッター速度:1/100秒
ISO: 100
焦点距離:200mm

sakura-04
 
少し離れたところから望遠で狙って周囲をぼかしました。桜はピンク色のイメージですが、ソメイヨシノはかなり白に近い色をしています。こうやって背景を明るくぼかすと、紅色のガクがイメージの「サクラ・ピンク」に近い色になり、寂しい「桜の終わり」が少しだけ、華やかに見えますね。

次は桜吹雪です。

絞り:f/5.0  
シャッター速度:1/2000秒
ISO: 100
焦点距離:150mm

sakura-05
 
陽が傾き、光が柔らかくなった時間に撮影しました。桜の枝の背景が陰になって暗く見えるアングルを探して30分ほど歩き、三脚を立てました。それほど風も強くなく、その分、舞い散る桜の量も控えめだったので、花びらが舞う瞬間を複数枚撮影し、Photoshopで比較明合成しています。桜の花びらには陽が当たり、背景が暗いので、その分、一つひとつの花びらが輝いて見えますね。

昭和記念公園、最後の1枚は花筏(はないかだ)です。

絞り:f/4.5  
シャッター速度:13秒
ISO: 100
焦点距離:150mm
(2018年3月28日追加)
ND1000のフィルターを使って、光の量を10段減らしているため、13秒の露光が可能となっています。

sakura-06
 
流れる桜の花びらを細い光の筋として捉えています。
夕方の太陽がある西側を向いたアングルで撮影しています。木漏れ日が小川の水面にあたり、流れる花びらの周りの、「表面張力のように膨らんだ部分」に光が明るく反射した状態で、ゆっくり流れています。下の写真のような反射です。

sakura-edges

これをシャッター速度13秒で撮ると光の筋のように見えるのですが、これだけだと何だかわからないので、苔むした石に堰き止められて静止している花びらを左上に配置し、「花筏」であることを表現してみました。




 
最後は鎌倉の極楽寺さんです。

絞り:f/5.6  
シャッター速度:1/100秒
ISO: 100
焦点距離:39mm

sakura-07

極楽寺さんに納品するため、許可を得て撮影しています。

この写真も、昭和記念公園の桜吹雪同様、フォトショップを使って複数枚を比較明合成しています。舞い散る桜吹雪をしっかりと捉えるためには、花びらに陽が当たり、背景が陰になる場所を探すよう心がけてみてくださいね。

以上、今回は桜の撮り方のバリエーションを七通りほど紹介させていただきました。

月並みになりがちな桜の写真ですが、様々な工夫を加えて、オリジナリティーの高い作品に仕上げてみてくださいね。

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