サイトアイコン ミヤビプロダクション

ハイレベルな長時間露光写真が撮れる最強ツール、お教えします

ハーフNDとNDフィルターFeatured

フィルターの組合せ

昨日(2017年10月23日)は台風一過でとても空気が澄んでいて、わた雲のような低層雲もなかったので、久しぶりに江ノ島の撮影をしてきました。波が高く、満潮も近かったため、浜辺に降りることはできませんでしたが、その分、上から海を見下ろす角度で、様々な波の表情をとらえることができたと思います。200回ほどシャッターを切りましたが、ベストショットはこの一枚です。


 
今回の記事では、こんな写真が撮れるようになる最強ツールを紹介したいと思います。




 
撮影時の意図としては:

  1. 海面が美しい夕焼け色に染まっていたので、それをしっかりとらえたい。
  2. 波を「流して撮る」ことで、海面を鏡のように見せたい

という2点。

これを実現する為に、以下のツールを使いました。

C-PLフィルターで海面の光の反射量をコントロールし、ハーフNDフィルターで空だけを2段ほど暗くし、さらに円形のNDフィルターで光を3段暗くして、シャッター速度を5秒にしています。(フィルター抜きで撮ると、シャッター速度は0.3秒で同じ露出が得られました。)

絞りはf/10、ISO感度は100です。

これらのツールを単品で使った事がある方は多いと思いますが、今回紹介する例は、それらを「セットとして使う」点に特徴があります。

こんな感じの組合せです。




 
① はアマゾンやヨドバシカメラで購入できますね。3万円以上する、高価なアイテムですが、興味のある方は、なるべく薄めのものを選ぶようにしてください。厚みのあるフィルターだと、広角端でかなりのケラレが出ることがありますので。
 
② こちらもアマゾンやヨドバシカメラで売っています。ヨドバシカメラのサイトを見ると、税込みで8990円ですね。
 
③、④、⑤はドイツのシュナイダーというメーカーのセット製品で正式名称は「Schneider 4 x 5.65″ Landscape Control Kit」といいます。残念ながら国内での販売はないようで、アメリカのB&Hなどからの購入が可能です。価格は$373.50ドル(2017年10月24日時点)。この製品の特長は、ハーフNDフィルターがガラス製あること、そして、透明部と暗い部分がグラデーションになっている「ソフトエッジ・タイプ」であること。フィルターホルダーの溝に挿入して使うのですが、横に付いているネジを緩めると、フィルターの位置(つまり、暗くする部分)を変更できます。また、フィルターホルダー自体が回転するので、暗くする部分に角度を付けることもできます。
 
⑥のNDフィルターはケンコー・トキナー社の製品で、3段減光するND8(ZX ND8)の77mmタイプが12,000円ぐらい。10段減光するND1000 (PRO ND1000)だと7,500円ぐらいで購入可能です。他のメーカーからも同様の商品が販売されています。
 
この組み合わせで撮影すると、光の反射をコントロールしたり、減光してシャッター速度を長くしたり、空だけを少し暗めに撮影したりできるわけですが、最も大きなメリットは、ハーフNDフィルターを手で持ちながら撮影する必要がない、という点ですね。三脚を使って構図を固定し、フィルターの位置も一度決めてしてしまえば、その後は撮影に集中し、何度でもシャッターを切ることができるわけです。
 
よく、以下のようにフィルターを手で持って撮影している方を見かけますが、これですと、ハーフNDフィルターをレンズ部分に押し当てて撮影することになるため、カメラが揺れますし、シャッター速度を30秒など、長くした場合に、手が疲れて辛いですよね。

ということで、色々探して回った結果、上述の組合せにたどり着いた次第です。
シュナイダーのキットは海外から取り寄せる必要があるため、少々面倒ですが、質の高い写真を追及する写真愛好家の皆さんには是非、トライしていただきたいと思います。




 
なお、上述の江ノ島の写真ではND8フィルターを使いましたが、代わりにND1000フィルターを使うと10段の減光が行えるため、昼間でもこんな写真を撮ることができます。


 
こちらの写真は、タイトルが「仙境の煌めき(英語タイトル: THE ENCHANTED LAND)」といい、撮影地は沖縄本島最北端の安須杜(アシムイ)という、とても神秘的な場所です。島建ての神アマミキヨが降りたち、この場所から沖縄の島づくりを始めたと言われています。

撮影時の設定は:絞りf/14、ISO100、シャッター速度は30秒です。
2月下旬の午後1時頃ですので、とても明るい景色で、EVで言うと「15」ぐらいありました。
フィルター無しの状態で、絞りf/14とISO100で撮影しようとすると、シャッター速度は125分の1秒ぐらいになります。

ただ、この時は、シャッター速度を遅くして撮ることで、何万年もの間、動くことなくとどまり続けている大地と、覆い被さるように広がる雲をとらえ、神の威厳や、神聖な空気を表現したかったため、ND1000フィルターを使いました。

この写真や、私の他の作品は以下のサイトでご覧いただけますので、良かったら覘いてみてくださいね。

http://masaonikata.com/
https://500px.com/onikata-z
 
 

今回の記事はここまでです。

色々な工夫を重ねて美しい風景写真を撮りたいと思っている方は、「ストアカ」というプラットフォームを介して私が開催している「みなとみらい~夜景撮影講座」の受講をご検討ください。定員5名の少人数制で、キラキラ輝くみなとみらいの光を美しくとらえる撮影講座です。刻々と変わる光の条件に合わせて、カメラの設定を少しずつ変えながら撮る方法を学べますので、ワンランク上の風景写真が撮れるようになりますよ。

受講に興味のある方は下の「日程詳細へ」ボタンをクリックして、レッスンの詳細をご確認ください。
 


ストアカで使える500円クーポンをゲット

(ストアカのユーザー登録は無料です)

 

 
マサ・オニカタ




 

モバイルバージョンを終了